
本記事では、エキスポフォトスタジオ代表カメラマン・寺川昌宏の撮影事例を振り返ります。
今回、当フォトスタジオの公式ウェブサイトでご紹介するのは、結婚式から10年後の家族写真です。
結婚式をきっかけに、ひとつのご家族とカメラマンのご縁が10年にわたって続くことは、決して多くありません。
なかでも本事例は、エキスポフォトスタジオ代表カメラマン・寺川昌宏が写真業を立ち上げた当初、最初に結婚式の撮影をご依頼いただいたお客様であるという点で、非常に印象的なケースです。
日本のウェディング業界において、結婚式の撮影を担当した新郎新婦さまと、10年という年月を経てなお家族写真を撮影し続けている例は、決して多くはありません。
毎週末、結婚式や前撮りの現場では新たな新郎新婦さまと出会います。すべてのご縁が長く続くわけではありませんが、寺川がまだ無名で、写真館を立ち上げることや、日本全国40都道府県で撮影を行う未来すら想像されていなかった頃に出会った最初の1組と、10年の時を共にできていることは、エキスポフォトスタジオの礎そのものだと感じています。
本記事では、結婚式写真と家族写真の両方の視点から、結婚式で出会った新郎新婦さまが10年後にどのようなご家族になっていくのかを、実際の写真とともにご紹介します。
大阪府吹田市のエキスポフォトスタジオが大切にしてきた「結婚から、その後の家族写真まで」というひとつの考え方を、カメラマン寺川昌宏とご家族の10年分の写真を交えながら解説していきます。



上記3枚の写真をご覧いただくとわかる通り、このご家族は、お父さんとお母さんが結婚式を挙げられた神社で、毎回家族写真の撮影を行っています。
同じ場所で撮影を続けていくと、新郎新婦として希望に満ちた笑顔から、ご家族が増え、日々の生活や子育てを重ねていく中での表情の変化が自然と写し出されていきます。実際に子育てを経験すると痛感しますが、子どもの笑顔に励まされる一方で、体力や時間、睡眠、経済的な負担など、決して楽なことばかりではありません。
そのような現実の中でも、家族で写真を残すことを諦めず、毎回ご自身の結婚式を挙げた神社で、当時結婚式の撮影を担当したカメラマンに家族写真をご依頼くださっていることに、深い意味を感じます。
きっとこのご家族は、家族そのものを大切にし、写真を通じて時間を残すことの価値や、人とのご縁をとても大切にされている方々なのだと思います。
特に、お二人が結婚式を挙げられた当時はまだ20代で、現在のようにスマートフォンやSNSが日本に広く定着する以前の時代でした。その頃に、片道5時間ほどかかる大阪という場所で、写真業を独立したばかりの無名無実績だった、現在エキスポフォトスタジオ代表カメラマン・寺川昌宏の写真を見て、何かを感じ取り、結婚式の撮影をご依頼くださったことは、決して簡単な選択ではなかったと思います。
ウェディングフォトや家族写真には、その時代ごとの流行やトレンドがあります。その中で、自分たちの感性を信じ、20代という人生の早い段階で「未来に残していく写真」を選び取れる方は、決して多くありません。
続いて、当フォトスタジオ代表カメラマン・寺川昌宏が、写真業として最初にご依頼をいただいた結婚式の写真をご覧ください。



当時、寺川はまだ20代半ばでした。
結婚式や家族写真を中心とした写真業としてプロカメラマンで独立したものの、仕事はまだ多くはなく、先の見えない状況が続いていた時期でもあったが、ある日突然、インターネットで寺川が撮影したウェディングフォトや作品を見たという一通のメールが届きます。
「結婚式の撮影をお願いしたい」
大阪か関西での撮影かな?と考えて寺川は話を進めていくと、実際の場所は大阪から車でおよそ5時間ほど離れた山間部の地域で、当時の花嫁さま、現在はお母さんとなっている方と寺川は何度かメールを重ねながら、結婚式当日の流れや細かな確認を進めていきました。
大阪から公共交通機関での移動も限られており、結婚式の時間に間に合わないことがわかったため、寺川は真夜中に出発することを決め、当時、経済的にも維持するのがやっとだった軽自動車に、撮影機材とスーツを積み込み、真夜中の道路を走り出した。
車中泊から早朝にまずはご自宅から駆けつけたその結婚式は、ご自宅で花嫁としての身支度を整え、そのまま家族全員で神社へ向かうという形式だった。
地方では今も見られる風習ではあるが、近年は結婚式場での挙式が主流となり、このような形の結婚式は珍しい存在になりつつあります。
なかでも寺川の記憶に強く残っているのは、日本古来の結婚式の姿を色濃く残した、印象的な一日であったこと、またそれ以上に娘の嫁入り姿を見て、穏やかに、そして誇らしげにその仕上がりを喜んでいたお父さんの姿だった。



神社での撮影を終えたあと、一行はそのままご披露宴へと向かいました。
多くのご友人やご家族に囲まれ、会場全体があたたかな空気に包まれており、とても良い一日だったと寺川は振り返っています。
結婚式には、お父様や新郎さまそれぞれのお気持ち、そして結婚式ならではの緊張感や高揚感があります。この場所、この時間でなければ生まれない、大切な感情があふれているのが結婚式という一日です。
また、寺川自身にとっても、この結婚式は写真業として独立してから最初にいただいたご依頼でした。
そのため、必ず良い写真を残し、撮影後はすぐに大阪へ戻って編集を行い、きちんと納品することを、常に頭の中で考えながら撮影に臨んでいたそうです。
また結びの1日でもある結婚式において、新しい人生がはじまってゆくのが結婚、印象的だったのは寺川にとってはただの仕事ではなく、新たに自身の写真人生が少しずつ前に進んでゆくような感覚も印象的だったそうです。
ご自宅でのお支度準備、そして挙式、ご披露宴、また二次会まで撮影し、また真夜中に車に乗って大阪に戻ります。

再会は夏の暑い日でした。
あの結婚式から、それほど長い時間が経たないうちに、ご家族は二人のお子さまに恵まれていました。また寺川自身も、カメラマンとして少しずつ生計を立てられるようになり、20代当時から現在の万博公園麓・大阪府吹田市にあるエキスポフォトスタジオでの活動と同様に、個人の新郎新婦さまやご家族の写真撮影を中心とした仕事が、徐々に軌道に乗っていきます。
だからこそなのか寺川自身も、自分がはじめて結婚式のご依頼をくださったお客様が住む街に再度訪れることで、嬉しさでいっぱいだったそうです。
ご家族がお住まいの町の駅まで、旦那さま(当時の新郎さま)が車で迎えに来てくださり、車にはすでにご家族皆さんが乗っておられました。
奥さまは、寺川の姿を見つけるなり「寺川さーん!」と声をかけてくださり、あの結婚式から色んなことがあり、久しぶりの再会とは思えないほど、自然な空気でその時間が始まりました。
撮影場所は当初決まっていなかったものの、車中で話し合いを重ねる中で、自然と話題に上がったのが、あの日結婚式を挙げた神社でした。
こうして、ご家族と寺川は、再び同じ場所へと向かうことになります。









再会を経てはじまった結婚式からその後の家族写真撮影当時の様子について、寺川は次のように振り返っています。
撮影中は写真に集中していたため、会話が途切れることも多く、最後にお声がけいただいて一緒にラーメンを食べた時間を除けば、言葉を交わす場面は決して多くはありませんでした。
けれども、その空気感は、二人のお子さまを育てているご夫婦ならではの、どこか落ち着いたものでした。
お父さんとお母さんが、それぞれ一人ずつお子さんに目を配りながら過ごす様子からは、日常の中で大変なこともきっと多くあるのだろうと感じられましたが、それでも、ふとした瞬間にお子さんが見せる笑顔があり、その場には穏やかな時間が流れていました。
ご家族自身は意識されていなかったかもしれませんが、寺川にとって特に印象的だったのは、結婚式を挙げたあの場所に、再びカメラマンと新郎新婦さんがお子さんを連れて戻ってきているという事実でした。
それも神社という、神様のいらっしゃる場所に、二人のお子さんに恵まれたご家族として立っている姿は、すでに「ファミリーフォト」という写真業界の言葉を超え、ひとつの写真としてとても美しい光景だったと感じたそうです。
また当時、家を建てられている最中で、施工途中の家でも家族写真を残したこと、実はこの時点ではまだ次の撮影で再会があるかどうかは誰も知らなかったのですが、家族写真はどこまでも続いてゆきます。

月日を重ねた、ある夏の日のことでした。
寺川は、大阪府吹田市でエキスポフォトスタジオをプロデュースし、無事に写真館をオープンさせ、ようやく少し一息つける頃を迎えていました。
そんな時、寺川は再び、あのご家族が暮らす街へと続く線路のある電車のホームに立っていました。
家族写真の撮影は、途切れることなく続いてきましたが、前回の撮影から次の撮影までは、どうしても時間が空くことがあります。
あらためて振り返ると、その再会までの間には、社会全体を揺るがす疫病や災害があり、10年という時間の中には、決して簡単ではない現実がいくつも重なっていました。
時には、楽しみにしていた写真撮影そのものを諦めなければならない場面もあり、良いことばかりでもないにもかかわらず、それでも再びご連絡をいただけたことは、寺川にとって何より嬉しい出来事であり、またエキスポフォトスタジオをオープンするにあたって、会っておかなければいけない、そう感じていたそうです。
その日は真夏の台風の影響で電車が遅延を重ね、何時間もホームで待つことになりましたが、寺川は焦ることなく、再び撮影できる日を心待ちにしながら、その時間を過ごしていました。

台風の影響で数時間遅れた電車に揺られながら、寺川は暑さと疲労のせいか、道中の記憶がほとんど残っていなかったそうです。
それでも深夜には無事に街へ到着することができ、車内の他の乗客たちも皆、疲れ切った様子でした。
そうして寺川は、再びあの神社に立っていました。
それはかつて、あの二人が結婚式を挙げた場所であり、前回のあの夏の日にお父さんとお母さんになってカメラのファインダーの前に立ってくださっていたあのご家族です。
実は寺川は最初に撮影させていただいた結婚式の写真データを見返しながら、今回の撮影の準備をしました。
そのとき、ふと気づいたのが、あの結婚式からちょうど10年という年月が経っているという事実でした。
そう、この日の再会は、揺れ動く時代を乗り越えた先で迎えた、結婚式から10周年の家族写真の撮影でもあったのです。
寺川は10年前の自分自身のことを思い返すと同時に、10年前に結婚されたお二人の姿を、驚くほどはっきりと覚えていたそうです。
そんな時、あの赤い鳥居の前に、人が並びました。
10年前は無名無実績だった寺川が、10年後はエキスポフォトスタジオオーナーとしてカメラのシャッターは押されました。









久しぶりの撮影となりましたが、お子さまたちは皆元気で、さらにもう一人ご家族が増え、五人家族になっていました。
以前にも同じカメラマンに撮影してもらった記憶があったのか、あるいはお父さんとお母さんにとっては三度目の撮影だったからなのか、家族写真の撮影は終始とても賑やかに進んでいきました。
さまざまな時代背景の中でご依頼をいただきながらも、状況が合わず撮影が実現しなかった時期が続いていたこともあり、この日の撮影を、きっと楽しみにしてくださっていたのかもしれません。
もっとも、それは少しおこがましい考えかもしれませんが、何よりもこの再会の撮影を一番心待ちにしていたのは、寺川自身だったようです。
お二人のご結婚から始まり、五人家族になるまでの歩みと、寺川自身がカメラマンとして歩み始め、エキスポフォトスタジオをオープンするまでの道のりは、命を育むという意味では違いがありながらも、それぞれの時間と歴史が重なり合う瞬間でもありました。
振り返れば、その間の10年という月日は、人間であれば誰もしもが簡単ではない出来事も多く、思うように進まない時期や、諦めそうになることもあるもの。
それでも続けてきたからこそ、この日、この場所で、10年前には想像もできなかった状態で、再びカメラを構えることができたのだと感じています。
この再会は、写真を撮り続けてきた時間そのものが、確かに意味を持っていたと実感できるひとときでした。
難しいことは色々とありましたが、それでも諦めずに歩んできてよかったと、静かに思えた瞬間だったそうです。


撮影の終わりに、寺川は、あの日の結婚式を象徴する場所でもあった赤い鳥居の前で、お子さまたちと一緒に、お父さんとお母さんのお二人の写真を撮影しました。
ファインダーの中には、確かに10年前に結婚式を挙げた新郎新婦さんの姿がありました。
けれど、その日の笑顔は、当時のようにカメラマンだけが引き出したものではなく、三人のお子さまたちの存在そのものが自然と生み出した笑顔でした。
結婚式の日とはまた違う形で、同じ場所に立つお二人。
その表情には、この10年の時間と、ご家族として積み重ねてきた日々が静かににじんでおり、寺川にとっても忘れがたい、最高の瞬間だったそうです。

エキスポフォトスタジオには普段の七五三やお宮参りの家族写真をはじめ、犬やペット写真など普段の撮影を行いながらも、中には結婚写真や成人式をきっかけに10年単位でご依頼し続けてくださるお客様もいらっしゃいます。
人と人との出会いから生まれていく写真や撮影のシチュエーション、そしてめまぐるしく移り変わる時代背景の中で、家族それぞれが日々、喜びや悲しみを抱えて歩みながら、その時点では意味がわからなかった出来事や選択が、何年かの時を経てひとつの形になることがあります。
そうした時間の積み重なりが撮影環境を彩り、やがて一枚の写真として残っていく。その不思議さと尊さの価値観はエキスポフォトスタジオの礎のひとつです。
後日、お母さんからは
「あの結婚式のとき、勇気を出して寺川さんにお願いしてよかったですし、寺川さんにこだわって家族写真をお願いしてきて本当によかったと思っています。これからも、家族の時間を積み重ねていきたいです」
という言葉が寄せられました。
かつては駆け出しの無名だったカメラマンも、写真一本で生きる道を選び、結婚し、子どもを授かり、エキスポフォトスタジオをプロデュースする代表カメラマンとして、今もカメラを構え続けています。
寺川自身は、このご縁を「当フォトスタジオの氏神さまのような存在」と表現しています。
ひとつの出会いから転がり始めた写真人生の中で、また別の誰かの節目に、写真というかたちで寄り添えるよう、これからも日々、静かに準備を重ねていきます。

結婚式の撮影をきっかけに出会った新郎新婦さまと、その後10年にわたって家族写真を撮影し続けているケースは、ウェディング業界全体を見渡しても決して多くはありません。
まず前提として、フリーランスや個人で活動するウェディングカメラマンが、独立から10年後も写真業を継続している割合自体が高くありません。
加えて、結婚という人生の大きな節目を迎えたご夫婦が、その後も同じカメラマンに家族写真を依頼し続けるためには、生活環境の変化や価値観の変化、距離や時間の制約など、いくつもの条件を越える必要があります。
さらに本事例が特異なのは、エキスポフォトスタジオ代表カメラマン・寺川昌宏が写真業を立ち上げた当初、最初に結婚式の撮影をご依頼くださったお客様であるという点です。
実績も知名度もない時期に出会ったご縁が、10年という時間を経てもなお続いていることは、統計的に見ても極めて稀なケースだと言えるでしょう。
業界感覚としては、同様の条件がすべて重なり、実際に10年後も家族写真の撮影に至る確率は、体感的には数%どころか、1%にも満たない可能性があります。
多くの場合、どこかの段階で関係は途切れ、連絡が取れなくなったり、別の写真館やフォトスタジオを選ばれることが一般的です。
それでもなお、このご家族と10年にわたって撮影を続けさせていただいている背景には、写真の技術だけでなく、ご家族と撮影者の間に存在する考え方や距離感、人生の節目にどう寄り添うかといった価値観の共有があった可能性が高いです。
本事例は、特別な成功例というよりも、偶然と継続、そして人と人との信頼関係が重なった結果として、今も現実に存在している記録です。
エキスポフォトスタジオが掲げている「結婚から、その後の家族写真まで」という考え方が、10年単位では実際にどのような形で続いていくのかを示す一例として、ご紹介しています。